神式葬儀のもっとも特徴的なものとしては「玉串奉奠」「手水の儀」「二礼二拍手一礼」といった作法を挙げることになると思います。
実際、参列するときにはこの三つの作法を理解しておけば問題ないといってもいいかもしれません。
でも、神式の葬儀の特色ということになると、それはその根本的な死生観にあるといっていいかもしれません。
神道では、死は穢れたものだと考えられています。そこで、魂を霊璽(れいじ)にうつして亡骸は火葬に付した後に埋葬します。そして、霊魂は霊祭の儀式によって祖先の霊とともに一家の守護神となるわけです。
仏式の葬儀では、死者を極楽浄土へ旅立てるようにするための儀式ともいえますが、神式の葬儀では霊魂は留まっているわけです。
そして、その死生観を踏まえたものとして特徴的なことに斎主と仏式での僧侶との儀式での言葉があります。
僧侶は読経という言葉を使って死者をこの世に未練なく旅立たせようとするわけです。
ところが、斎主の言葉は、違っています。
「霊魂安定詞」というものでは、御神霊に身罷った事を知らせて高天原の神々のもとへ上がり、再び天下りして子孫を守る守護神となってもらえるようにお願いします。
御霊が永遠であるというようなことを信じているわけです。
さらに、誄詞(るいし)奏上では、御霊に対して、生前の功績を讃えて、今後は神となって私たちを守って下さいとお願いします。
そして御霊の心を和め奉るために誄歌を歌います。
ここで誄歌について少しお話します。
ヤマトタケルの死を聞いた妃や子供たちが歌ったと古事記に記されている4首を特に、死者の生前の高徳を讃える歌である「誄歌」としています。
『なづき田の 稲(いな)がらに 稲がらに 蔓ひもとろふ ところつづら』
『浅小竹原(あさじのはら) 腰(こし)なづむ 空は行かず 足よ行くな』
『海が行けば 腰なづむ 大河原の 植え草 海がは いさよふ』
『浜つ千鳥(ちどり) 浜よは行かず 磯づたふ』
以上がその4首で、今でも皇室などのお葬式で歌われています。
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